失敗の本質
毎年この時期になると、
第二次世界大戦関連のTV特集があります。
なぜ日本は米国に負けたか?という質問より先に、
なぜ日本は戦争を始めたのか?という質問の方が妥当でしょう。
小池都知事推薦本、「失敗の本質」を読めばその理由がわかります。
村社会・農耕民族である日本人特有の本質である、
「暗黙の了解」「空気を読む」「出る杭は打たれる」
で日本は誰の責任で命令が下るかさえ不明確なまま、
大戦後半には敗戦に次ぐ敗戦を重ねていった。
その日本人の本質は、残念ながら今の世も変わっていません。
組織において、偉くなればなるほど部下の勅言に耳を傾けるべきだが、
日本企業では、上司は空気を詠む部下を重宝する。
それが大企業になるほど顕著であり、誰も上司の暴走を止められなくなる。
家電メーカー等の相次ぐ不祥事や経営危機はその最たるもので、
総合商社の中でも、ワンマン社長がその座に8年も居続けて、
巨額の中国投資案件の目算が外れて四苦八苦している会社もある。
決算は史上最高益を計上しているが、実態との乖離は拡がっている。
すべては経営上層部の保身のため、組織維持のため、その泥をかぶるのは
社員や株主である。まったく不条理である。
戦後、日本を占領下にしたマッカーサーは、
「日本人のレベルは12歳程度だ」と言ったそうだが、全くその通りである。
そして今も変わっていない。
長いものに巻かれない、
自分の意見を持ち相手に伝える、
そういうプリンシプルを持つ日本人を一人でも増やしたい。
山之内仁